2018/10/18
紛争解決
詐欺と返ってこない借金には、パターンがある
詐欺にひっかかったという相談は、法律事務所では、日常的です。
お金を貸したが、返ってこないというのも、また、同様です。
ご相談を受ける中で、ある程度ですが、パターンが見えてきました。
このパターンが見えたら、まず、詐欺ですし、お金は、返ってきません。
1つ目は、少額から始まること。
「損してもいいか」「返ってこなくても仕方ないか」という、出しやすい金額からスタートします。
まあ、1万円から3万円程度でしょうか。
人間は、人からの申し出を断るには、大きな労力(精神力)がかかります。
その労力をかけるより、数万円なら出してしまった方が良いと判断してしまうのです。
だから、いくら少額でもお金を支払わないのが大きなポイントとなります。
2つ目は、一度は、お金が儲かったり、返ってくることがあること。
そうやって、信用を得ることにより、次の大きなお金を出す下地を作るわけです。
3つ目は、「ここで、お金を出さなければ、損をする」と思わせること。
詐欺なら、「更にお金を出すことによって、大金を得られますよ」と言われます。
借金なら、「このお金を貸してくれたら、前、借りたお金もまとめて返せるから(または、利息を付けて返すから)」と言われます。
この「損をしたくない」という強い人間心理に訴えるわけです。
そもそも、一度、お金を支払った人は、自分が「騙されている」と気づかないように努力します。
「騙されるような間抜けな人間だ」と思いたくないのです。
その結果、「相手を信用したい」とさえ思うようになります。
我々が、「これは、詐欺ですよ」「お金は返ってきませんよ」と言っても、信用してくれず、詐欺師の方を信じるという結論を出される方もいらっしゃるぐらいです。
人は、信用したいことを信用する。
これは、私の中で金言として、常に心にあります。