2019/01/26
紛争解決
離婚して欲しいと言われたら
離婚を切り出されると多くの人は、動揺し、冷静な判断が難しくなります。
離婚するか否かは、大きな人生の選択となりますので、動揺するのは仕方のないことですが、一度、落ち着いて、現状についての確認と、正しい知識を得ることに力を注ぐことが大切です。
すぐに結論を出す必要はありません。時間は、十分にあります。
今から、離婚を切り出されたときに助けになると思われる知識を書いておきます。
少しでもお力になれれば幸いです。
1 一方的に離婚することは難しい
離婚を切り出された方の多くが離婚しなければならなくなるのではないかと心配されます。
しかし、相手方が一人で離婚の手続きを踏むことはできません。
離婚には、協議離婚と裁判離婚があります。
協議離婚では、夫婦ともに離婚に合意の上、離婚届への署名捺印することが必要ですし、裁判離婚には、裁判所の関与が必要です。
勝手に離婚届を出されることを心配される方もいらっしゃいますが、勝手に出された場合は、離婚の意思がない離婚届として無効です。
2 過去に書いた離婚届がある場合は、不受理届出を出す
過去に離婚届を書いたことがあり、それが出されてしまったという場合でも、離婚届提出時に離婚意思がないので無効です。
ただ、過去に書いた離婚届を相手方がもっているのであれば、念のため、本籍地の役所(市役所・区役所・町役場)に離婚届の不受理届出を出しておきましょう。
3 裁判での離婚は、離婚理由がいる
夫婦での話し合いで離婚の合意に至らない場合、離婚をしたい相手方は、家庭裁判所の手続きをとることになります。
家庭裁判所での離婚手続は、まずは、離婚調停を行い、調停での離婚の合意ができない場合に裁判に移行することになっています。
調停は、裁判所が間に入った話し合いです。
調停では、離婚したくない場合は、離婚を拒否することができます。
離婚を拒否した場合、相手方がそれでも離婚したい場合は、離婚の裁判を行ってくるでしょう。
その場合でも、相手方に離婚理由がなければ、離婚の判決はでません。
「ただ、離婚したい」「好きになった人ができたので、離婚したい」等というのは、基本的に通じません。
4 離婚をするか否かは、あなたがキーを握っている
以上のように、離婚を切り出されても、離婚するか否かのキーは、あなたが握っているのです。
当然、こちらに落ち度がある場合は、相手が握っていることにはなる場合もありますが、それでも、こちらが離婚届に署名捺印をしない限り、すぐ離婚ということにはならないため、
最低でも時間は十分にあります。
まずは、心を落ち着かせてから、しっかり考えて結論を出していけば、それで良いのです。
5 一時的な感情の場合も多い
実は、当事務所で離婚の相談をお受けしても、離婚に至らないことが多くあります。
一時的な感情に揺り動かされ、離婚を口走ってしまうことは良くありますし、それは多くの場合、時間が解決していくからです。
相談を受けていて、「相手が謝ってくれました」というような円満解決のご連絡を受けることも良くあります。
自分が「離婚」という言葉に動揺しているように、相手も人生の大転換を生む「離婚」という言葉の前にして、冷静ではないことが多いのです。
離婚以外の解決の道筋がまだ残されているということにも気づく必要があるのではないでしょうか。
6 法律相談を受ける
離婚には、法律的な知識が不可欠です。
また、離婚は、ご自身とお子様の今後の人生に大きな影響を与えるため、冷静に的確な判断をすることが大切です。
離婚を切り出されたときは、なかなか冷静ではいられないため、一人で考えているより、第三者に話を聞いてもらう方が、的確な判断を下すことができると思います。
離婚を切り出された場合は、一度、法律事務所(弁護士事務所)に法律相談に行かれることをお勧めします。