2018/09/07
老後の不安が破滅を招く
人生100年時代。
ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されており、日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えています(厚生労働省HPより抜粋)。
多くの方が老後のお金の不安を抱えています。
定年が65歳に延び、政府の掲げる国民総活躍社会では、高齢者の労働力の活用にも熱い目が向けられています。
働いている間は、給料等の定期収入がありますが、働けなくなり、定期収入が途絶えたとき、多くの人が不安に駆られます。
「今の貯蓄と年金で、果たして老後の資金は足りるだろうか。」と。
1 老後の資金が足りない。あなたは、どうしますか?
老後の資金が足りないのではないか、でも、年齢的にも肉体的にこれ以上働いて収入を得ることが難しい。
そういう方が、考え付くのは、今ある貯金を資産運用して、定期収入を生むことです。
実際、そのような高齢者の心理をついた、定期的な配当があるような投資信託や投資向けの賃貸物件が売れているようです。
2 投資という選択が正しいのか
収入がないのことが不安で、収入を得る手段をと考えるのは、当たり前です。
しかし、投資は、必ずリスクを伴います。
そして、投資には、専門的な知識が不可欠です。
まず、働いて稼ぐという手段のない老後には、投資によるマイナスを稼いで補うことはできません。
また、投資の知識を得る手段もありますので、勉強すればよいと思われると思いますし、過去、投資をした知識をお持ちという方もおられるでしょう。
しかし、投資の知識は、間違ったものも多いですし、トレンドを外れているものは、全く役に立つどころか、マイナスです。
当然ですが、正しい知識を持っていても、確実にもうかる投資はないため、リスクは、引き受けなければなりません。
老後に投資をして稼ぐという選択は、いばらの道なのです。
3 高齢者は狙われている
また、投資の世界は、詐欺師が沢山います。
これについては、たくさんの詐欺事件がニュースになっていますので、よくお分かりと思います。
最近では、「かぼちゃの馬車」の事件が世間を賑わせていますね。
シェアハウスを建てさせ、家賃保証をするという投資詐欺です。
不動産投資は、このような話が山のようにあり、まさに氷山の一角です。
なぜ、投資の世界に詐欺が多くなるかというと、顧客に損をさせたとしても、投資の美名の元、お客さんの責任にしてしまえるのです。
損をさせられ、文句を言っても、「リスクは、説明しました。」「契約前に示した数字は、あくまで利益の予想です。過去の実績です。」の一言で済んでしまうのです。
私は、詐欺師にかかれば、だまされない人はいないと思っています。
なぜなら、人は、「信じたい」という欲求を本能として持っているからです。
「人を信じたい」「自分の得になる話を信じたい」これは、多くの人に共通の思いなのです。
それだけでなく、高齢の方は、自分の考える力の衰えを感じ、自信を失っています。
そこで、「少しおかしいな」と思っても、自分の判断より、自信をもって話している人の話の方を信用してしまうのです。
だから、高齢者は、特に詐欺師に狙われてしまいます。
4 まとめ
老後のお金の不安から、投資を考えている人は、とても危ないです。
当然儲かってる人もいます。
身近にいらっしゃる方から、儲かっている話を聞いたりすることもあるかもしれません。
しかし、その人が儲かっているのは、今だけ。明日には、大損しているかもしれないのです。
特に、不動産投資は、最初は、結構なお金が入ってくるという特徴があります。
その時だけ切り取ると儲かっているので、その人から「儲かる」という話を聞くことになるのです。
その方の10年後、15年後に、儲かっているか話を聞いてみてください。
きっと、全く別のことを話されるのではないかと思います。
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