2018/09/25
相続関連
「相続した家を賃貸にする」その前に読んでもらいたい話
家を相続で取得しました。
生まれ育った、思い出の家です。
「将来は、この家に帰ってこよう。」
でも、すぐには、帰って来れない。
空き家のままでは、管理も大変だし、家も傷む。
では、賃貸にすれば、収益もでるし、先の問題もでない。
この流れで、安直に賃貸にするのは、ちょっと考えてください。
実際、戸建ての賃貸は、物件も少なく、それなりの賃料で、すぐ借り手がみつかるでしょう。
しかし、あなたが住もうと思ったその時。
または、もう、住むこともないから売ろうと思ったその時。
賃貸に出したことを後悔することになります。
衣食住という人間の生きていくために必要となる3つの要素。
その中でも、「住」は、賃借人を法的に守ることにより、国は保証しています。
昔、賃貸人と賃借人の関係では、圧倒的に賃貸人が強い立場でした。
「気に入らないなら出ていけ」と言われると、賃借人は何も言えず、賃貸人の言いなりになるしかなかったのです。
そこで、法律は、賃借人の権限を強めることにしました。
その結果、賃借人は、一度、借りれば、好きなだけ住んでおくことができるようになりました。
契約期間を定めてはあるものの、基本的には、契約期間がきても自動で更新されます。
更新をしないよう、拒絶することもできるようになっていますが、更新を拒絶するには、「正当な理由」が必要とされ、一般的な事情では、なかなか正当な理由と認められません。
結局、出て行ってもらうためには、多額の立ち退き料を支払う必要がでてきます。
解決策としては、最初から「定期賃貸借」という特別な形式を踏んだ更新のない契約を結んでおくことです。
定期賃貸借になると、借りようとされる方も制限されますし、家賃も低くなりがちですが、将来的なことを考えるとおすすめです。
定期賃貸借がおすすめなのですが、そもそも古い家を貸すことになる場合、結構な修繕費が必要となることもありますので、その点にもご注意を。
古い家は、見た目以上に傷んでいることが多く、修繕箇所が見つかると、修繕する義務は、貸主側にあるのです。
賃貸にすることも一筋縄にはいきません。
慎重にされることをお勧めします。
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